RenKirishima&G-HOUSE03/2005年ベストセレクト2枚組み/ Gangsta Expresss2006 -> [HMVで予約]
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■XL Middleton Interview(2010.4)
G-HOUSEからのリリースでもおなじみ、Foesum直径のLongBeach系G-Funkで日本でも話題のアジア系ラッパー兼プロデューサーXL Middletonがインタビューに応えてくれた。"Middle Class Blues"リリースまでの変化などを語ってくれた。
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■これまでハイペースにアルバムが続いていたのに、しばらく作品が出ないので心配していました。今回の『Middle Class Blues』を完成させてどんな気分でしょうか? いまの心境を教えて。

XL:確かに『Middle Class Blues』をリリースするまでに長い時間がかかったね。まあ人生の中で難局にぶつかったっていうのかな。スタジオから一歩出ればあらゆる問題が待ち構えている、って状態で、クリエイティヴにはなかなかなれないよ。でも、ちょっと時間はかかったけど、また立ち直ることができたし、キャリアや音楽制作においては今までの中で最高のポジションにいると思うんだ。だから今は良い気分だよ!『Middle Class Blues』は過去数年間、俺が抱えていた問題を全て代表するもので、アルバムをリリースすることで俺なりにこれらの問題に決着をつけたというか、先に進むことができたんだ。だからそう、今は良い気分なんだ!

■アルバムとしては久々のリリースになりますが、まずはここまで期間が空いた最大の理由を教えてください。Crown City Entertainmentの動きが停滞した結果なのでしょうか?

XL:アルバムを聴いてくれれば、殆どそこでその理由を挙げているよ!家での問題にしても、資金の流れの困難にしても、これらの問題は多くの人が実際直面している事なんだ。だから立ち直ってアルバムをリリースできるだけの状態になるのに、ちょっと時間を要したんだよ。

■マイク・トロイと共同で設立した新レーベル=ROTSについて教えてください。どういうきっかけで出来たレーベルですか?

XL:R.O.T.S.はレーベルだけど、それ以上に大切なのは、それがコンセプトだってことなんだ。R.O.T.S.は"Rap On The Side"を意味する。マイク・トロイと俺は長い付き合いなんだけど、音楽に関してはなかなか見解が合わなかった。でも、何年もこのビジネスでやってきて、クソみたいなことに沢山直面していくうちに、ようやく同じような考え方に辿り着いたんだ――即ち、音楽で稼いだ金を、音楽以外のことに費やしたいと思ったんだ。俺たちはお互い音楽を作るのが大好きなんだ、でも金のためにアーティスティックなヴィジョンを妥協しなきゃならないなんて、狂ってるだろ?だから、ラップ以外で稼いで、生活できないかって話になったんだ。そしたら音楽で妥協しなくてもいいだろ?自分達が本当に作りたい音楽を作ることができる、クラブ受けするとか、ラジオ受けするとか、そんなこと考えなくてもよくなるんだ。リアリティーTVとか、ここカリフォルニアでレストランを開くこととか、まだ具体的には話せないけどアイディアは幾つかあるんだ。今ちょうどビジネス・プランを練ってるとこなんだよ。いずれは、若いミュージシャンのお手本になれたらいいなと思ってるんだ。現実には、音楽をやってる連中の殆どは、ちっとも稼いじゃいないんだ。本当にクレイジーなのはさ、他のラッパーとかが、俺たちこんなに働いてんだぜ、とか言ってる間、俺たちは他で金稼ぎながら、その傍らでラップしてるんだ。

■マイク・トロイとはどういう経歴の人で、どのようにあなたとコネクトしたの? 今回の新作でも“Every Time I Ride By”に参加していますが、アーティストとしての活動がメインの人なのでしょうか?

XL:ああ、マイク・トロイとは随分長い付き合いだよ。俺のファースト・アルバムは彼のレーベル、メルロー・レコードからリリースしたんだ。当時は俺とマイクとScipio(※今はザ・ゲームのBlack Wall Streetに所属するX.O.として知られている)だったんだ。彼は基本的にはソングライターなんだけど、アーティストでもあるよ。昔はプロデュースなんかもしてたしね。ラス・カスの『Re-Up』ってコンピレーションに収められた“Psycho Skitzo”は彼のプロデュースなんだ。彼は本当に多才でさ、英語でもスペイン語でも曲を書けるし、結構なビッグ・ネームの曲の代筆なんかもやってるんだ、誰かは言えないんだけどね。マイクは今ヨーロッパのSony/BMGと音楽出版の契約をしててね、だから向こうでは彼のカタログを色んなアーティストに売り込んでいるよ。

■環境が一新されて、より活動しやすくなりました? 傍目にはあなたのレーベルという意味で変化はわからないのですが、Crown Cityの時とは違う部分、逆に変わらない部分を教えてください。

XL:音楽的にはR.O.T.S.と前のCrown Cityレーベルとはそんなに違いはないんだ。俺たちに重要だったのは、新しいブランド・ネームをプッシュすることだったんだ。Crown City時代の連中全員とはもう関わってないしね。新しい商品をプッシュしててもさ、同じ名前(レーベル名)が載ってると、なんかあれに関わっていた全員がその商品に何かしらの権利を持っていると思いがちなんだ。だから俺は新しいブランド名がほしかったんだ、新しいスタートだってことを打ち出すためにもね。

■SLACKER PADというクルーはCrown City時代からの仲間が中心ですが、どういう意識で集まった集団なのでしょうか。改めてあなたの口からメンバーを紹介してください。また、メンバー個々に共通点があるとしたらどういう部分でしょうか。

XL:Slacker Padとは俺とあと3人のメンバーから構成されている。Revは2004年に『Insufficient Funds』をリリースしたことで覚えてるかもね。Slacker Pad Kevは前は"Non-Cents”という名前で活動してた。それにMatrix、彼は俺の作品で幾つかプロデュースもしてるんだ。Slacker Padのメンバーっていうのは、基本的に俺の最も近しいホームボーイたちの集まりなんだ、だから彼らと音楽を作るのはごく自然なことなんだよ。グループとしての俺たちの目指すものは、良質なパーティー・ミュージックをみんなに提供して、俺たちの生き方ってものを見てもらうことなんだ。「Slacker Pad」の文字通りの意味っていうのはさ、ホーミーが集まる家で、飲んだりパーティーしたりさ、女とセックスしたり、とにかく楽しむところなんだよ。俺ら大人だけど、パーティーするのも大好きなんだよ!だからSlacker Padではみんなを俺らのパーティーに誘ってるんだ。Slacker Padとしてのユニークなサウンドが出来上がるはずだよ、ソロ・アーティストとしてのXL Middletonとは違うものがね。所謂ウェストコースト・ヒップホップにオールド・スクール・ファンク、それにちょっとロックなんかも混ぜようと思ってるんだ。今多くの音楽を聴いていると、色んなスタイルのものが混ざっているのが分かるんだ。俺たちもやってみたいと思うし、すごく興味深いプロジェクトが出来上がると思うよ、期待してて。『The Red Plastic Cup Album』というタイトルのアルバムなんだ。

■その間には日本ツアーもありましたが、日本のオーディエンスや街の印象はどうでしたか?

XL:日本は最高だね、ファンも世界一だよ!日本のファンの素晴らしいとこ、それはすごく忠実でいてくれるってことだね。一回音楽を気に入ってくれたら、長いこと好きでいてくれる。ここアメリカではさ、ファンでも、コロッと背を向けることが多いんだ、「あいつはもうダメだ、使い古しだ、あいつの音楽はもう好きじゃない」ってね。日本ではちょっと違う気がする、だから90年代に活躍してたアーティストとかもアルバムを出し続け、ツアーなんかもできるんじゃないかな。それはさ、長いことヒット曲とか出してなくても、やっぱり変わらず才能あるアーティストだってことが、日本のファンには見えてるからじゃないかな。

■スムースでレイドバック、さらにFunkなどなど、とてもタイトな作品を”New G-Funk”と私は勝手に呼んでるんだけど、あなた自身はどのように表現する?

XL:おかしいと思われるかもしれないけど・・・ミュージカル、俺の音楽はミュージカルなんだよ。俺たちはドラムマシーンとコンピューターソフトウェア、そんなものに覆い隠されちゃって本当の音楽を忘れてしまっているんだ。ひとつの側面として、すべての音楽はライヴなんだ。誰かがドラムをたたき、他の誰かがベースをプレイする。また他の誰かはキーボードを・・・って感じにね。少し前はドラムマシーンとシンセサイザーだけだなんておかしいと思われていたけど、今はみんなそれを持ってる。俺はそのライヴの当時の音楽に戻そうとしているんだ。例えキーボードだけを使って他の楽器を使わなかったとしてもね。努力すれば出来ると思うよ。コードと強いメロディー、ファンキーなベースラインが好きなんだ。最近のそこら辺で聞けるプロデューサーはスゲェシンプルなだけだ。そいつ等はキーボードの使い方を知らないんだよ。ただ遊んでるだけで運良くいい音が手にはいっただけさ。

■日本ツアーを経て一昨年あたりから日本のアーティストの作品への参加も多いですが、日本のラッパーやDJたちへの印象を教えてください。なかでも気に入っているアーティストや自分の参加曲は何ですか。

XL:うん、ツアーの合間にね、YZやMoss.key、Multi Plier Sync、それに勿論DS455なんかとスタジオに入る時間を見つけたんだ。彼らと仕事するのはグレートだったよ、みんなすごく才能あるし、謙虚だしね。YZとはまた、彼の新作で一緒に仕事をするのが楽しみだよ。それに『Middle Class Blues』(国内盤)にはDJ PMXのリミックスが入ってるだろ、彼は本当にドープなプロデューサーさ。考えてみるとすごい事だなと思うよ、だってコラボなんて同じ街に住んでる連中としかやったことなかった時期があるわけだろ。それが今じゃあ地球の反対側のラッパーと仕事をしてるんだもんな。

■新作の話に移ります。具体的に制作はいつ頃からスタートしていたのでしょう? 常に楽曲はストックしてる感じ?

XL:アルバムの制作を始めたのは2008年だ。とは言っても、”始めた”ってほどでもなかったんだ。ただインスパイアされた時に、ちょこちょこレコーディングしてただけで。少し経って、それらの曲には全て共通のテーマがあることに気が付いたんだ、全て同じ方向に向かってるってね。そのときの俺が直面していた問題や、俺の周りの人間が直面していたことについてが殆どだった。今の経済状況の中、周りを見渡して幾つか語れる物語を見つけるのはさほど難しくはなかったよ。

■ 『Middle Class Blues』というタイトルに込められた意味は?

XL:最初は“Middle Class Blues”のあの一曲だけだったんだけど、考えてみたら、アルバム全体を要約してることに気が付いたんだ。これが何を代表してるかって、それは標準的な人間が直面している困難なんだ。今の世の中はさ、一般的な人、俺たちが”ミドル・クラス(中流階級)”と呼ぶ人間がさ、電気代とかガス代とか払うのに苦労してるんだよ。

■ ジャケもいつも以上にコンセプチュアルな気がしますが、作品のテーマやここで伝えたいことを具体的に説明してください。

XL:そうだね、今回は確かにコンセプトはあったよ。二つのキャラクターのコンビネーションなんだ――即ち、「お金のために働きます」というサインを持って道端に立っているホームレスの男と、”ミドル・クラス”的な男のコンビネーション。だか、俺がそんな風に道端で立ってるんだけど、でもまだラップトップを持っていて、良い格好をしてるんだ。それでいて、ホームレスの男と同じように、生活するのが困難なことに気が付いた・・・そういうことなんだ。さっきも言ったけど、要は標準的な人間が、いきなり生活難にさらされる状況に置かれる、そういうことなんだよ。

■ 作品のテーマを立てたり、リリックを書いたりするうえで、何か大きなモチヴェーションになる(個人的/社会的な)出来事などがあったのではないですか。

XL: 一つの特定なことではないんだよ、ただ自分自身が目の当たりにしたり、実際経験したことだね。ホーミーたちがフォークロージャー【差し押さえ】で家を失うのも見た、愛する人間が職を失うのも見た。すると、そういうことが家の中の環境にも影響してくるだろ?ガールフレンドとどうやって生活費を払うかで喧嘩になるわけだ、こういうことって全部つながってるんだよ。基本的に殆どの業界がダメージを食らったわけで、それは勿論音楽業界も含まれる。ここ数年間で儲けた人間なんて殆ど知らないね。

■ 自分自身では、ラッパーとトラックメイカー(プロデューサー)どちらがメインという意識が強いのですか? 今回はよりミュージシャンシップの高い作りのように思いましたが、より自分の「音楽的」な側面にフォーカスしていきたい意向なのでしょうか?

XL:俺はプロデュースするよりラッパーでいる方が大好きなんだ、レコーディング・アーティストでいることがね。俺がビートを作り始めたのは、若い時に俺の周りにビートを作る奴が誰もいなかったからなんだ。ラップしたけりゃ、自分でトラックを作るしかなかったんだ!でもプロデューサーの方がラッパーよりも評価が高いというか、価値があるのは分かってるし、俺がプロデューサーとして知られていることも分かってる。それに、そうだね、確かにこのアルバムでは音楽的な側面に集中したね。もっと生なサウンドを狙ってたんだ、ベースとか、アコースティックなパーカッションとか、ピアノのソロとか・・・だから、確かにそれが意向だったと言えると思う。

■ Pファンク〜ジュニー・モリソン的なファンクや鍵盤を活かしたメロウ・チューンなど、いままでの路線ももちろん良いのですが、今回はトゥー・ショートを連想させるシンプルでブルージーなトラックがより印象的でした。サウンド面に関して今回はどんな方向性を意識しましたか?

XL:まあね、アルバムは『Middle Class Blues』というタイトルだし、文字通り”ブルース”なサウンドを取り入れたかった。それを俺の特徴でもあるファンクなサウンドと組み合わせるんだ。実はアルバムの制作中、サザン・ヒップホップを沢山聴いていたんだ――UGK、Devin(The Dude)、Trae & Z-Ro、そこら辺をね。ウェストコーストで俺らがやってたことは彼らに影響を与えたと思う。でも彼らはそれを、また彼ら独特のサウンドにしたと思うから、それで俺たちもそこから得るものがあると思うんだよ。

■ 今回のアルバムに関して自分のなかで新たにチャレンジだったことは? また、その狙いは達成されたのでしょうか?

XL:一番のチャレンジは、このアルバムが、所謂”パーティー・アルバム”じゃないことだったね、今までの俺の作品のように。アルバムで言ってる内容を言いつつ、それでいて楽しいアルバムにするってことは、結構なチャレンジだったよ。だって聴いた人がダウンな気持ちになったり、落ち込むようなアルバムは作りたくないだろ。だからとにかく出来るだけアップビートにしたんだ!まあ達成できたと思ってるよ。だって“Unemployment”を聴いてみろよ、あれは踊れる曲だぜ!それに気が付いたか分からないけど、アルバムの最後の方はもっとポジティヴな調子になるんだ。アルバムは“Single”から始まって、最後まで続くんだけど、アルバムの最後の曲は"Middle Class Blues"(中流階級のブルース)から脱出したことを象徴してるんだよ。だから俺の次のアルバムは、今回のアルバムとは大分異なったテーマになることは間違いないよ。実は既に始めていて、言えることは、俺のいつもの良き「パーティー・ミュージック」に戻ったってことだね!

■ 自分でプロデュースもこなせるのに、外部プロデューサーを毎回起用するのは何故? 今回ビール&メイソンとF・メジャー、ドック・フリーらを選んだ理由を教えて。

XL:自分のサウンドにバラエティーを与えるのはいいことだと思うんだ。俺が一緒に仕事をするプロデューサーは、みんなすごく才能あって、自分で曲も書くし、楽器も弾くしね。だからそういった部分が先ほど指摘された、音楽的側面をショーケースするにもぴったりだったんだ。俺はまず第一に自分はラッパーだと思ってるから、そういう意味でもプロデューサーからインスト曲をもらって、それに対して全く違うアプローチができると思うんだ。自分がビート・メイキングに関わってない分ね。ビートを作るための裏作業とか労力とか知らないで済むよ、出来上がったものをもらうだけだからね。それっていい時もあるんだ。ビートが新鮮に聴こえるからね。プロデューサーとして仕事をしてるとビートにあまりにも時間を費やしたんで、リリックを乗せる頃には完全に使い古したような感覚になる時があるんだよ。

■BLACK(BLACK & MILDのことですよね?)やREV、CLINTON WAYNE、NON-CENTSといったゲストはあなたの過去作でもお馴染みですが、まだ日本ではさほど知られていないので、他のDEUCE MAXWELLやSHAME、E.D.も含めて、改めてあなたの口から彼らについて紹介してください。

XL:

 Black&Mildとして知られているBlackはご存じのとおり、前にリリースもしているよね。彼は俺と同じパサデナ市出身で、地元で最も才能あるアーティストなんだ。RevとSlacker Pad Kev(元Non-Cents)は俺のグループSlacker Padのメンバーとしてもう知ってるだろう。Clinton Wayneは次のアルバム『Desert Eagle』をもうじきドロップするんだけど、へヴィー級のコラボレーションもフィーチャリングされてるよ。DEUCE MAXWELLはサン・ディエゴ出身のシンガー/プロデューサーで、今後彼とのコラボは増えるはずだよ。SHAMEはベイ・エリアのアーティストで既に2枚のアルバムを出していて、俺は両方にフィーチャリングされている。E.D.はね、彼は所謂アーティストではないんだけど、パーソナリティーといった感じだね、俺の最も近いホーミーの一人だよ。俺がちょうどその時やっていた曲にぴったりはまる、(控えめに言っても)興味深い話を彼がしてたんで、俺は奴をブースに入れて、ただ話してもらったのさ!

■今回の日本盤ではあなたとも縁のあるDS455のDJ PMXがリミックスを手掛けていますが、もう聴きましたか? 感想はどうでした?

XL:すごく良いリミックスだと思うよ!PMXは本当に才能あるプロデューサーだよ、彼とまた仕事ができて嬉しいよ!

■そういえばフォーサムのレーベル、Perfectionからリリースする予定もあったと思いますが、結局出なかったのは何故ですか? その後は関わりがなくなったようにも見えるのですが、彼らとは現在もクールな関係ですか?

XL:そうなんだよ。『Music 4 A Drunken Evening』をPerfectionから出したかったんだけど、ちょうどその時彼らはE-Whiteのアルバムと、あと確かThe Twinzとも仕事をしてたんだ。勿論彼らのほうが名も知れてるし、まずは彼らのアルバムをリリースしたほうが良いとみんなで合意したんだ。だから俺は自分でリリースした。その次のアルバムを一緒に出す予定だったんだけど(『100 Proof Music: The Alcothology』)G-Houseが興味を示してくれて、その方が良いシチュエーションかなと思ったんだ。今から考えれば、もっと違う風に対応できたかもしれないと思う、俺が常に新しい音楽を制作してることを考慮すれば尚更ね。あのアルバムをPerfectionから出して、その後G-Houseと違うアルバムを制作しても良かったかもしれない。フォーサムはプロデューサーだけでなく、アーティストとしての俺と仕事をしたいと思ってくれた最初の人でもある。だからそれだけでも彼らには感謝の気持ちで一杯なんだ。他の奴らから、「XL、おまえのビートは好きだけど、アーティストとしては伝わってこないんだ」なんて言われてた時、彼らは違う意見だった。俺にチャンスを与えようとしてくれたんだ。だからあれは俺がまだ若くて、全体像が見えてなかったっていうのもある。最近何年かぶりにGlazeと話したけど全てはクールだったよ。

■ウェストコーストからは徐々に新たな才能が出てきていて、また新しい盛り上がりにも期待できそうです。あなたから見て現在のシーンはどんな印象ですか? 数年前より良くなっている/悪くなっている?

XL: 「どん底まで落ちると、あとは上昇する以外行きようがない」って言うだろ?長い間、俺たち地域的には全く脚光を浴びてこなかった。どこかで踏み外したんだな、また元の状態に戻るには長い道のりがあるよ。多くのアーティストが分かってないのは、一時俺らには自分達のサウンドがあったんだ、「ウエストコースト・サウンド」がね。それは俺たちを際立たせた。今はというと、他の地域のサウンドを真似るだけじゃないか。十中八九、それは成功しないんだ。だってそうだろ、イーストコースト・ヒップホップが聴きたかったら、誰がわざわざイーストコースト・ラッパーみたいなサウンドのウエストコースト・アーティストを聴くっていうんだ。それならイーストコースト・ラッパーの作品を聴くだろ?俺たちが生き残るには東でやってることも聴き、南でやってることも聴き、それらを吸収したうえで、俺たちのサウンドをより良くするために影響されるべきだと思う。マスタ・エースの『Sittin' On Chrome』のアルバムを覚えてるだろ?あれは西の影響を少し受けたイーストコースト・アルバムだったんだ、俺が今言ってたことの最高の例だよ。人が何て言おうと、異なる地域には異なるサウンドがあるんだ、そういうものなんだよ。変な話だけど、ウエストコースト・ヒップホップで言うと、一番そのサウンドに忠実であり続けたのは誰だと思う?それはアンダーグラウンドのヒップホップ・ラッパー達なんだよ、彼らは変わらなかった、感じるままにやり続けたんだ。90年代にはファーサイドやソウルズ・オブ・ミスチーフらがいた。今はU-N-IやBluといったアーティストがそれを継承しているね。ウエストコースト・ファンクみたいなことをやってたアーティストには気づいてほしいんだ、俺たちがやってた昔からのサウンドを捨てるんじゃなくて、2010年やそれ以降でもまだ新鮮に聴こえるように改善すべきだってね。

■今後の予定/野望を教えてください。かつてのようにSLACKER PADの仲間たちの作品も送り出していく予定ですか?

XL:2011年にはまたソロ・アルバムを出したいと思ってる。でもその前に今年は3つのプロジェクトをリリースしたいと思ってるんだ。まず俺とサン・ディエゴ出身のYoung Sauが一緒に作ってるアルバム『There Goes The Neighborhood』。もう既にプロモーションも始めていて、最初のシングルとビデオも出ているよ。その後、『The Yardnic Mixtape』というのを企画している。これはインターネット向けのリリースで、iTunesや他のメジャーなダウンロード・ストアで買えるようになる。最後に、年末辺りにThe Slacker Padのデビュー作『The Red Plastic Album』のリリースを予定しているよ。

■日本のサポーターたちにメッセージをおねがいします。

XL:とにかく日本のみんなには、長年のサポートを本当にありがとうと言いたい。すごく感謝してるし、近いうちに日本に戻って、またツアーをしたいと思う、だから待っててくれよ!その間は、俺のウェブサイトwww.xlmiddleton.com でいつでも声をかけてくれよ!

XL MIDDLETON
Middle Class Blues XLミドルトン
『ミドル・クラス・ブルース』 2010-05-05 PCD-93327 ¥2,415 解説付 歌詞付 対訳付 ※解説:出蔦孝次 ※歌詞対訳:Shiho Watanabe

 


www.crowncityentertainment.com
協力:P-VINE
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